学習の姿勢はなぜ大事
学習の姿勢はなぜ大事
「姿勢をよくしなさい」「背筋を伸ばしなさい」ということは、よく言われます。
私も、子どもの頃にうるさく言われた経験があるように思います。
また、お子さんに「姿勢をよくしなさい」「背中が曲がってるよ」と、たびたび注意した経験を持っている方も多いのではないでしょうか。
けれども、なぜ姿勢をよくしなければいけないのでしょうか?
そこで、少し調べてみました。
姿勢が美しいと見た目もよくなります。しかし、それだけが姿勢をよくする理由ではありません。
姿勢が崩れてくると、体のバランスが崩れて、物事を正確に理解したり、集中して話を聞いたりすることができなくなるのです。
姿勢が悪いと体軸が傾きますから、目線も傾きます。目線が傾くと左右の目から入ってきた情報にズレが生じ、脳は左右の情報をひとつにまとめる作業が必要になります。こめため脳は疲れやすくなり、集中力を高めてゆくことが難しくなります。
その結果、脳のパフォーマンスを落として、運動面や学習面はもとより、あらゆる場面でカを発揮できなくなっていきます。美しく正しい姿勢は、子どもの能力の向上に関係してくる大事な要素のひとつなのです。
超一流と言われている人たちの姿勢が、概して美しいことからもそれはわかります。とくにアスリートと呼ばれている人たちで姿勢が悪い人はいません。
スポーツにおいて、目線が傾き、入ってくる情報にズレが生じることは体を動かすタイミングにも影響します。ですから超一流の選手は立ち姿も歩く姿も美しいのです。
◆姿勢を正す理由を話してあげよう
もちろん皆さんも、よい姿勢の大事さは十分わかっていらっしゃるでしょう。
しかし、「何回注意しても姿勢が直らない」は、多くのお母さんの困り事です。
でも、理由をきちんと説明してやれば、子どもは理解して気をつけるようになります。理由を知らないまま 「姿勢をよくしなさい」と言われても、子どもたちの中には入っていかないのです。
私が最初に教員として勤務した学校は、文部省(当時)の学校経営の指定研究を受け、「生きる力を育てる」を目標に、基礎基本を大切にしている学校でした。
生活の基本・学習の基本を徹底指導し、その上に子供たちの主体的な学びが生まれる学習指導の工夫を研修していました。
その中で、特に1年生には、形を教えることの大切さを指導された覚えがあります。
1年生には、正しい姿勢で話を聞き、はっきりとした声で受け答えや考えを述べることを繰り返し指導した覚えがあります。
1年生の子たちは、姿勢を良くしなさいと言っても、どんな姿勢が良いのかも分からない子が多いので、姿勢に慣れるまでは、椅子に深く腰掛け、手を後ろに組んで話を聞くということを徹底指導していました。
学校参観に見えた他校の先生方からは、軍隊みたいと批評されたこともありましたが、形を教えることで身につき、自然と良い姿勢を保つことができるようになったのちには、その部分に指導の労力が割かれることも無くなるというメリットの方が大きかったように思います。
学校参観という切り取られた部分のみを見ると、批評された先生のような感想を持つ方もいたかもしれませんが、実際の指導では、なぜ姿勢を良くしなくてはいけないのか、姿勢が良いとどんな良いことがあるのか、姿勢が悪いとどんなことが起こるのか、など学年や学級の実態に合わせて話をすることで、子供たちなりの意味理解をし、姿勢を正すことができるようになっていったと記憶しています。
美しく正しい姿勢は、集中力とも関係します。正しい姿勢でいると体が疲れませんので、集中力を維持することもできます。
正しい姿勢をつくるポイントは、
・目線を水平にする
・背筋を伸ばす
・肩(肩甲骨)の高さを左右同じにする
の三つです。ここに注意しながら、子どもが正しい姿勢をとれているかどうか見てやるとよいでしょう。
美しく正しい姿勢ができるようになることは、子どもの 「空間認知能」を鍛えることにもなります。「空間認知能」は、とにかくあらゆる能力の向上に必要不可欠な重要な脳機能です。
その脳機能のトレーニングのひとつが、美しく正しい姿勢でいることを習慣にすることなのです。
それでは、勉強するときの正しい姿勢とは、どのような姿勢なのでしょうか?
勉強するときの正しい姿勢は、まず椅子に深く座り膝をそろえて座ります。その際、机と体の間は握りこぶしひとつ分くらい開けておきましょう。膝下を床に垂直に下ろすようにしてみるときれいな姿勢になりますよ。膝は90度に曲げることを意識しましょう。
次に、背筋をぴんと伸ばします。お尻を後ろに引くように意識すると背筋が伸びますよ。お尻と背中も90度になるよう意識するとよいでしょう。
おなかもまっすぐ伸ばします。このとき、胸を張ってしまわないよう注意が必要です。胸を張ると力が入り、疲れてしまいます。
最後に顎を引きます。少し二重顎になるくらいを意識するくらいでいいでしょう。頭は前に出ないようにして、まっすぐに保つようにすることがポイントです。
以上のような正しい姿勢を身につけるには、机の上に両手を「ハの字」になるように置く癖をつけるといいでしょう。自然と正しい姿勢をとれますよ。
なお、正しい姿勢をとる際にはリラックスすることを心がけましょう。力が入ってしまうと疲れてしまい逆効果です。
正しい姿勢を続けると、胸が開いて肺に空気を取り込みやすくなるため自然と呼吸が深くなります。深い呼吸は全身の血行をよくしたり、脳に酸素を十分に送り込んで活性化したりする効果があります。そのため、長時間勉強を続けていても疲れを感じにくくなったり、集中力がアップしたりといったメリットがあります。
また、肩こりや腰痛を防いだり、体のゆがみを改善したりといった効果も期待できます。さらに教材の字と目との距離が適度に保たれて目の負担が減り、目も疲れにくくなります。
では、勉強のときのNG姿勢はどのような姿勢なのでしょうか?
次のような姿勢は勉強のときには望ましくありません。
まず、猫背はNGです。猫背になると胸が縮こまって呼吸が浅くなり、酸素が全身に行き渡りにくくなるため集中力が低下します。ノートや教科書との距離が近くなって目の負担も大きくなります。
また、頬杖や足を組む姿勢も避けましょう。背骨や骨盤のゆがみの原因になります。特に頬杖は、顔がゆがむ原因にもなりますからクセになる前に気をつけてあげましょう。
左右どちらかに極端に傾いた姿勢もNGです。体がゆがんで腰や肩に負担がかかってしまいます。
お子さまが以上のような姿勢で勉強していないか、チェックしてみてください。
私も、子どもの頃にうるさく言われた経験があるように思います。
また、お子さんに「姿勢をよくしなさい」「背中が曲がってるよ」と、たびたび注意した経験を持っている方も多いのではないでしょうか。
けれども、なぜ姿勢をよくしなければいけないのでしょうか?
そこで、少し調べてみました。
姿勢が美しいと見た目もよくなります。しかし、それだけが姿勢をよくする理由ではありません。
姿勢が崩れてくると、体のバランスが崩れて、物事を正確に理解したり、集中して話を聞いたりすることができなくなるのです。
姿勢が悪いと体軸が傾きますから、目線も傾きます。目線が傾くと左右の目から入ってきた情報にズレが生じ、脳は左右の情報をひとつにまとめる作業が必要になります。こめため脳は疲れやすくなり、集中力を高めてゆくことが難しくなります。
その結果、脳のパフォーマンスを落として、運動面や学習面はもとより、あらゆる場面でカを発揮できなくなっていきます。美しく正しい姿勢は、子どもの能力の向上に関係してくる大事な要素のひとつなのです。
超一流と言われている人たちの姿勢が、概して美しいことからもそれはわかります。とくにアスリートと呼ばれている人たちで姿勢が悪い人はいません。
スポーツにおいて、目線が傾き、入ってくる情報にズレが生じることは体を動かすタイミングにも影響します。ですから超一流の選手は立ち姿も歩く姿も美しいのです。
◆姿勢を正す理由を話してあげよう
もちろん皆さんも、よい姿勢の大事さは十分わかっていらっしゃるでしょう。
しかし、「何回注意しても姿勢が直らない」は、多くのお母さんの困り事です。
でも、理由をきちんと説明してやれば、子どもは理解して気をつけるようになります。理由を知らないまま 「姿勢をよくしなさい」と言われても、子どもたちの中には入っていかないのです。
私が最初に教員として勤務した学校は、文部省(当時)の学校経営の指定研究を受け、「生きる力を育てる」を目標に、基礎基本を大切にしている学校でした。
生活の基本・学習の基本を徹底指導し、その上に子供たちの主体的な学びが生まれる学習指導の工夫を研修していました。
その中で、特に1年生には、形を教えることの大切さを指導された覚えがあります。
1年生には、正しい姿勢で話を聞き、はっきりとした声で受け答えや考えを述べることを繰り返し指導した覚えがあります。
1年生の子たちは、姿勢を良くしなさいと言っても、どんな姿勢が良いのかも分からない子が多いので、姿勢に慣れるまでは、椅子に深く腰掛け、手を後ろに組んで話を聞くということを徹底指導していました。
学校参観に見えた他校の先生方からは、軍隊みたいと批評されたこともありましたが、形を教えることで身につき、自然と良い姿勢を保つことができるようになったのちには、その部分に指導の労力が割かれることも無くなるというメリットの方が大きかったように思います。
学校参観という切り取られた部分のみを見ると、批評された先生のような感想を持つ方もいたかもしれませんが、実際の指導では、なぜ姿勢を良くしなくてはいけないのか、姿勢が良いとどんな良いことがあるのか、姿勢が悪いとどんなことが起こるのか、など学年や学級の実態に合わせて話をすることで、子供たちなりの意味理解をし、姿勢を正すことができるようになっていったと記憶しています。
美しく正しい姿勢は、集中力とも関係します。正しい姿勢でいると体が疲れませんので、集中力を維持することもできます。
正しい姿勢をつくるポイントは、
・目線を水平にする
・背筋を伸ばす
・肩(肩甲骨)の高さを左右同じにする
の三つです。ここに注意しながら、子どもが正しい姿勢をとれているかどうか見てやるとよいでしょう。
美しく正しい姿勢ができるようになることは、子どもの 「空間認知能」を鍛えることにもなります。「空間認知能」は、とにかくあらゆる能力の向上に必要不可欠な重要な脳機能です。
その脳機能のトレーニングのひとつが、美しく正しい姿勢でいることを習慣にすることなのです。
それでは、勉強するときの正しい姿勢とは、どのような姿勢なのでしょうか?
勉強するときの正しい姿勢は、まず椅子に深く座り膝をそろえて座ります。その際、机と体の間は握りこぶしひとつ分くらい開けておきましょう。膝下を床に垂直に下ろすようにしてみるときれいな姿勢になりますよ。膝は90度に曲げることを意識しましょう。
次に、背筋をぴんと伸ばします。お尻を後ろに引くように意識すると背筋が伸びますよ。お尻と背中も90度になるよう意識するとよいでしょう。
おなかもまっすぐ伸ばします。このとき、胸を張ってしまわないよう注意が必要です。胸を張ると力が入り、疲れてしまいます。
最後に顎を引きます。少し二重顎になるくらいを意識するくらいでいいでしょう。頭は前に出ないようにして、まっすぐに保つようにすることがポイントです。
以上のような正しい姿勢を身につけるには、机の上に両手を「ハの字」になるように置く癖をつけるといいでしょう。自然と正しい姿勢をとれますよ。
なお、正しい姿勢をとる際にはリラックスすることを心がけましょう。力が入ってしまうと疲れてしまい逆効果です。
正しい姿勢を続けると、胸が開いて肺に空気を取り込みやすくなるため自然と呼吸が深くなります。深い呼吸は全身の血行をよくしたり、脳に酸素を十分に送り込んで活性化したりする効果があります。そのため、長時間勉強を続けていても疲れを感じにくくなったり、集中力がアップしたりといったメリットがあります。
また、肩こりや腰痛を防いだり、体のゆがみを改善したりといった効果も期待できます。さらに教材の字と目との距離が適度に保たれて目の負担が減り、目も疲れにくくなります。
では、勉強のときのNG姿勢はどのような姿勢なのでしょうか?
次のような姿勢は勉強のときには望ましくありません。
まず、猫背はNGです。猫背になると胸が縮こまって呼吸が浅くなり、酸素が全身に行き渡りにくくなるため集中力が低下します。ノートや教科書との距離が近くなって目の負担も大きくなります。
また、頬杖や足を組む姿勢も避けましょう。背骨や骨盤のゆがみの原因になります。特に頬杖は、顔がゆがむ原因にもなりますからクセになる前に気をつけてあげましょう。
左右どちらかに極端に傾いた姿勢もNGです。体がゆがんで腰や肩に負担がかかってしまいます。
お子さまが以上のような姿勢で勉強していないか、チェックしてみてください。